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横谷 明徳; Cunniffe, S. M. T.*; O'Neill, P.*
Journal of the American Chemical Society, 124(30), p.8859 - 8866, 2002/07
被引用回数:87 パーセンタイル:87.7(Chemistry, Multidisciplinary)線照射されたプラスミドDNAフィルム中のDNA鎖切断(SSb及びDSB)と塩基損傷の収率を、DNA単位長あたりの水和水量の関数として測定した。塩基損傷は、大腸菌由来の塩基除去修復酵素(NthとFpg)を作用させ、glycosyl活性及びAPlyace活性により生じるSSbとして検出した。水和水の制御は、相対湿度をコントロールしたチェンバー中に15時間,5に保持することで行った。得られたDNAのコンフォメーションは、アガロースゲル電気泳動により解析した。その結果、(1)鎖切断よりもむしろ塩基損傷の収率の方が、水和水の量に依存して増加すること。(2)OHラジカルは生成したとしても鎖切断には寄与しないこと(3)extraなDSBが水和水量とともに増加することから、クラスター化した損傷が、直接効果として生じることが、明らかにされた。
細井 文雄; 大道 英樹; 赤間 和博*; 粟井 浩二*; 矢野 嘉宏*; 中野 善郎*
J. Jpn. Oil Chem. Soc., 47(1), p.31 - 40, 1998/00
リポソームを用いた人工赤血球の調製を目的として、重合性混合脂質リポソームの重合挙動及び重合物の安定性について検討した。混合単分子膜の-A曲線から、1-ステアロイル-2.4-オクタデカジエノイル-グリセロ-3-フォスフォコリン(SOPC)は、コレステロール(Chol)や、ステアリン酸(SA)と不溶であり、各成分はの分子膜内でドメイン構造を取ることがわかった。混合系では2分子膜内でのSOPC濃度が減少するにも関らず重合速度が著しく増大することから、ドメイン間で疎水基間相互作用が働き、2-アシル鎖のモビリティを増加させるため、重合速度が増大すると推論された。リポソームに内包させたヘモグロビンの溶出も混合脂質系では著しく抑制させることから、疎水基間相互作用がリポソームの安定性に重要な役割を果たしていることがわかった。
宮武 陽子*; 長谷 博友*; 松浦 かおる*; 田口 光正; 星野 幹雄*; 荒井 重義*
Journal of Physical Chemistry B, 102(43), p.8389 - 8394, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:21.78(Chemistry, Physical)硝酸銀及び過塩素酸銀のエタノール及びMTHF溶液を77Kで線照射することによりAgの電子捕獲反応が起こり、Ag原子が生成した。定常的発光測定により500nmと580nm付近の2種類の発光バンドが観測され、時間分解測定からそれぞれの発光寿命が得られた。Agの濃度を高くしていった時には、500nmのバンドは増大したが、それに付随して580nmのバンドの強度は減少した。500nmのバンドは次の3成分からなっていることが分かった。1.寿命1s,Ag-Agのエキサイプレックスの発光、2.寿命2s,弱いながらも溶媒とカップリングしているAgからの発光、3.寿命3s,溶媒とほとんど相互作用の無い状態でのAgからの発光。一方、580nmのバンドは1s程度で立ち上がり、40~50sで減衰した。このバンドは溶媒とAgとのエキサイプレックスに帰属された。
光量子科学センター
JAERI-Review 97-004, 62 Pages, 1997/03
本報告書は、大阪支所において平成7年度に行われた研究活動をまとめたものである。主な研究題目は、レーザー有機化学反応の研究と放射線加工技術の基礎研究であり、本報告書では以下の研究活動について詳細に述べる。レーザー光による物質変換、レーザー光による高分子の表面化学反応、放射線による微細加工、放射線による金属微粒子の合成、線量測定および照射施設の運転・管理。
細井 文雄; 赤間 和博*
表面, 35(11), p.598 - 609, 1997/00
リン脂質は水中で安定な閉殻型球状2分子膜(リポソーム)を作ることから、機能性製剤材料として巾広く検討されている。リン脂質の1つの応用として、赤血球をリン脂質重合体でカプセル化することにより、これまでの赤血球製剤及びリポリーム内包型製剤の欠点が取り巻くことができると考え、リン脂質の1及び2位、あるいは2位のみに不飽和共役結合をもつリポソームの線重合、ならびにこれらのリン脂質とコレステロール、飽和脂肪酸、飽和リン脂質からなるリポソームの線重合を行った。ここでは、速度論的手法, LB膜的手法を用い、その重合挙動及び得られた重合体の安定性について、分子鎖のパッキング及び疎水基間相互作用との関連において考察した結果を紹介する。
森 誠之*; 設楽 裕治*; 瀬口 忠男; 西村 淳*
トライボロジスト, 36(10), p.821 - 826, 1991/10
ふっ素系潤滑油を真空下でCo-線照射し、その劣化挙動をESR、質量分析、IR、液体クロマトで測定し、比較検討した。アセタール結合(-O-C-O-)を有する油は分子末端から解重合して劣化した。-C-O-C-系の油は架橋が起こり劣化した。ふっ素系油の劣化はその分子構造に依存している。
森田 洋右; 瀬口 忠男; 森 達雄*; 宮地 雄二*
EIM-85-138, p.57 - 65, 1985/00
人工衛星用として開発された光ファイバについて、この耐放射線性をCo-線を用い110rad/h,310rad/h,110rad/hの比較的低い線量率で1000時間の長期間にわたり照射しながら伝送損失増加量を調べた。その結果、照射した光ファイバの伝送損失増加量は110rad/hで累積線量110radで約13dB/kmとなり、すでに求められている110rad/hで110radの損失増加量600dB/kmに比べ約1/50となった。実験結果から計算により、宇宙環境により近い100rad/h10000hの損失増加量を求めた。また、室温付近での照射時の温度変化による損失量の変化を求め、この値が照射のない場合にくらべ100倍も大きいことを明らかにした。
新井 英彦; 泉類 詩郎*; 中瀬 吉昭; 栗山 将
高分子論文集, 36(1), p.47 - 53, 1979/00
被引用回数:0バルク重合の線重合ポリエチレンの微細構造を明らかにするためオゾン酸化法でエッチングを行い、その酸化生成物のGPC分析を行った。その酸化物のGPC曲線には2つのピークが見られ、これらのピークに対応する分子量の比は大体1:2である。また、これらのピークはオゾン酸化時間の増加と共に低分子量側に移行する。これらの結果から、バルク線重合ポリエチレンは非常に不規則に分子鎖のfoldしたラメラ晶から成ると結論された。最低分子量ピークは重合温度と共に増加し、小角X線長周期とよく一致する。この結果は、線状ポリエチレンの溶液結晶化試料の長周期の結晶化温度依存性と同一であることから、線重合ではポリマー生成と同時に結晶化が起きると結論される。しかし、高温重合では、重合後の冷却を開始すると同時に生成ポリマーの結晶化が起きている可能性がおおきいことが推定された。
細井 文雄; 三井 光; 後川 正裕*; 鍵谷 勤*
高分子論文集, 31(2), p.94 - 99, 1974/02
分子量1500~114000の各種ポリエチレンに、真空中30Cで線を照射した場合の水素およびトランスビニレン基(t-V)の生成、ならびに末端ビニル基(Vi)およびビニリデン基(Vd)の消失について、つぎの速度式を得た。(mol/g-PE・hr)R=d[H]/dt=1.0310MnIR-V=d[t-V]/dt=1.0110MnIRvi=-d[Vi]/dt=2.5810Mn.I[Vi]Rvd=-d[vd]/dt=6.5710Mn.I[Vd]照射によるメチル基含量の変化は認められなかった。以上の結果に基づいて、水素およびt-vの生成、ならびにViおよびVdの消失反応の機構について検討した結果、ViおよびVdは、主鎖切断反応によって生成する主鎖高分子ラジカルが関与する反応によって消失すると考えることができる。